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| ホモグラフト |
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| 生体弁(ステントつき) |
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| 生体弁(ステントなし) |
生体弁は「異種生体弁」、「同種生体弁」、「自己生体弁」の3種類に分けられます。このうち自己生体弁は正確には「人工弁」ではなく、「ロス手術」という自分の肺動脈弁を大動脈弁に移植する特殊な手術で用いられるものです。また同種生体弁は「Homograft(ホモグラフト)」と呼ばれ、ヒトの死体あるいは脳死体から摘出した弁を凍結処理したもので、我が国では保険適応はなく入手経路も特殊です。当院では重度の人工弁感染性心内膜炎などに使用し良好な成績を得ています。よって以下は「異種生体弁」についての解説となります。生体弁にはステント付きとステントレスがあります。ステントというのは弁における支柱のようなものです。
現在日本で使われているステント付き生体弁は、ウシの心膜を利用したもので、ウシの心膜が開いたり閉じたりする弁膜の部分となり、それを支えるステントは人工物から出来ています。心臓に縫いつける、縫いしろの部分も人工線維から出来ています。
一方、ステントレスとはブタの大動脈弁を加工したもので、ステントと呼ばれる支柱の部分がないものです。ステントレスの最大の利点は、固い部分が無く弁の柔軟性が保たれ、より生理的であるという点です。また人工部分が少なく、弁の耐容性が優れていることも利点の一つです。この弁は、狂牛病問題における輸入制限のため2002年より使用出来なくなりましたが、2004年3月より再び可能となっています。今後はさまざまな状況で、この弁が選択される機会が増えるものと考えられています。
さてステント付きであれステントレスであれ、いずれにせよ弁膜の部分が生体で出来ているため、生体弁は抗血栓性に関して機械弁より勝っています。一般的には手術後3ヶ月ほど抗凝固薬「ワーファリン」を服用し、それ以後は内服の必要はないとされています。
これらの生体弁は抗凝固療法が行えない症例や、高齢者、生涯に渡って毎日抗凝固薬を内服する生活が嫌だと言う患者さんに使用されます。また若年女性で妊娠希望のある場合は生体弁が選択されます。一般に65〜70歳以上の人が生体弁の適応となります。注意点は機械弁と比較して耐久性が劣ることです。そのスピードには個人差はありますが、時間とともに生体弁は劣化し、固くなったり、穴が開いたりします。かなり改良が加えられてはいますが、10年から15年、長くても20年が耐用期間です。一般的に、若い人ほど劣化のスピードは早く、高齢者ほど遅いとされています。また、透析をしている患者さんは、弁に石灰が沈着しやすいといわれています。長年の間に劣化がおきたときは再手術が必要です。
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| 従来の弁形成術 |
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| 当院で行っているpremeasured Gore-Tex loopを用いた人工腱索再建 |
僧帽弁形成術とは文字通り僧帽弁を形成する手術です。つまり弁置換術と異なり、自己の弁を温存し、それを切ったり貼ったりすることによって逆流や狭窄を治す技術です。もしこれが出来るとなると、この上なく患者さんにとってのメリットとなります。手術の効果が弁置換術と同等であり、かつ人工弁に関係する合併症の心配がないからです。ただ全ての患者さんに「弁形成術」が出来るとは限りません。「弁置換術」より「弁形成術」のほうが手術手技は複雑になり、外科医の経験がより必要になります。
当院では僧帽弁閉鎖不全(MR)に対する形成術として、premeasured Gore-Tex loopを用いた人工腱索再建を行っています。本法はGore-tex糸を用いた腱索再建の難点である人工腱索の最適な長さの決定とGore-tex糸の結紮時の滑り易さを解決する方法として有用であるばかりでなく、全く弁尖切除を行わないため再建部位の生理的な運動の温存と有効な弁口面積の確保が可能です。我々は通常の胸骨正中切開はもとよりport-access MICSにおいても有用な手術法として本法を採用しております。
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| 図1 逸脱部位近傍の正常弁尖の腱索長を参照してループの長さを決定します。 |
![]() 図5 |
逸脱部位近傍の正常弁尖の腱索長を参照とし(図1)、別のベンチ上でloop作製器を用いて人工腱索としてのloopをGore-tex糸CV-5を用いて作製します。
loopの両端針はフェルトプレジェットに通した後に結紮します。
この操作を作製器上で行うことで結紮時の滑りに無関係に迅速な作製が可能です(図2〜3)。
1つの人工腱索ユニットには4つのloopを作製します(図4)。
乳頭筋へ人工腱索ユニットを固定後、逸脱部分のrough zoneに別のCV-5の糸を用いloopを固定します。loopの断端は左房側、固定用CV-5の結紮部は左室側になり弁接合の障害にはなりません(図5)。
リークテスト毎に必要な逸脱弁尖部位にloopを随時追加縫着していき、各々の乳頭筋で計8ヶ所までの再建が可能です。
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| 図2 | 図3 | 図4 |