大動脈手術(開胸/開腹手術)
大動脈の手術は、現在 開胸・開腹による人工血管置換術か、カテーテルを用いたステントグラフトの手術により行われています。人工血管置換術は開胸・開腹の切開を必要とするため、体への侵襲が大きくなりますが、手術後の長期的な成績は優れます。また、大動脈の形態や腎臓の病気などでステントグラフトでの対応が難しい場合には、人工血管置換術を行います。
開胸手術の場合は、手術後の入院は通常2〜3週間で、復職・日常生活への復帰は1〜3ヶ月程度かかるのが目安です。手術後は、月に1回程度の通院が必要ですが、3ヶ月〜半年経過して、病状が落ち着いていれば、当院へは半年〜1年に1回程度の通院で大動脈の経過をチェックいたします。投薬治療の継続が必要な場合には、通い慣れている元のかかりつけの医療機関への通院をご案内させていただきます。詳しくは手術の際にご説明いたします。
開胸手術
心臓に近い場所の大動脈手術が必要な場合(大動脈基部、上行大動脈、弓部大動脈)には、胸の中央を切開し、人工心肺を用いて一時的に心臓を止めた状態として手術を行います。弁膜症や狭心症など、心臓の病気がある場合は、大動脈と心臓の手術を一緒に行います。
大動脈病変が広範囲に存在する場合には、人工血管置換術とステントグラフト治療を組み合わせたハイブリッド手術(オープンステントグラフト法)により、複数回の手術を避けるようにします。その際に、当院では小口径のステントグラフトを併用する方法(B-SAFER法)を用いることで、出血の減少や神経合併症を予防することがあります。
3DCT画像: (左)大動脈弓部瘤 術前 (右) オープンステントグラフト手術の術後
開腹手術
腹部大動脈瘤や腸骨動脈瘤といったご病気に対しては、開腹手術またはステントグラフトによる治療を行います。腹部大動脈瘤に対しては、当院ではステントグラフトを第一選択とすることが多いですが、年齢や大動脈瘤の形態などにより、患者さんごとにそれぞれの治療の利点を活かして、最適な方針を決定します。開腹手術の場合は、通常は手術後10日間程度の入院となります。詳しくは担当の医師にご相談ください。
3DCT画像:(左)腹部大動脈瘤 術前、 (右) 人工血管置換手術 術後
開胸・開腹手術
胸腹部大動脈(横隔膜上下の、下行大動脈から腹部大動脈にかかる場所)の手術が必要な場合、体の左側を斜めに切開して手術を行います。肝臓や腎臓、胃・小腸といった内臓への血管も修復する必要があるため、高度な技術が必要です。当院では、従来は開胸・開腹による人工血管置換術を長年行ってきました。
切開が胸部と腹部に及ぶため、体への負担は大きく、ご高齢の患者さんや肺の悪い患者さんでは手術ができないことも多くありました。そのため、当院ではステントグラフトに特殊な加工を行い、カテーテルでの治療(医師による開窓型ステントグラフト手術)も行っています。詳しくはステントグラフトのページをご参照ください。
再手術症例
以前手術を行なったのと同じ、もしくは近い部位の大動脈の手術が必要となることがあります。前回の手術後に体が治る過程で周りの組織との癒着が生じるため、2回目以降の手術の場合には手術が難しくなることが多いです。当院では、以前から患者さんが多く、他院での手術後の患者さんも受け入れています。お困りの際は、ご連絡下さい。
