小さな傷で、心臓の未来を拓く:左小開胸下MICS CABG(低侵襲冠動脈バイパス手術)
はじめに
「心臓バイパス手術」と聞くと、大きな手術痕が残るイメージをお持ちではありませんか?
当院では、左小開胸下MICS CABG(低侵襲冠動脈バイパス手術)という、体への負担を最小限に抑えた、先進的な手術を提供しています。
冠動脈疾患とは?
冠動脈は、心臓に酸素と栄養を供給する血管です。動脈硬化などにより冠動脈が狭くなったり、詰まったりすると、心臓への血液供給が不足し、狭心症や心筋梗塞を引き起こします。
症状
- 胸痛
- 息切れ
- 動悸
- 肩や腕の痛み
左小開胸下MICS CABGとは?
MICS CABGとはMinimally Invasive Cardiac Surgery Coronary Artery Bypass Graftingの略で、左側の肋骨の間を約5-8cm切開し、心臓を動かしたまま、狭窄または閉塞した冠動脈に、別の血管(内胸動脈、橈骨動脈、大伏在静脈など)をつなぎ、血液の新たな流れを作る手術です。
左小開胸下MICS CABGのメリット
- 低侵襲: 小さな切開で行うため、体への負担が少なく、術後の回復が早いです。
- 早期社会復帰: 痛みが少ないため、早期のリハビリが可能となり、早期の社会復帰が期待できます。
- 美容的なメリット: 傷跡が小さく目立ちにくいので、美容的な満足度も高いです。
- 感染リスクの低減: 切開範囲が小さいため、感染症のリスクを低減できます。
- 輸血量の減少: 手術中の出血量を減らすことができ、輸血の必要性を減らすことができます。
当院のMICS CABG
当院では、MICS CABGの豊富な経験を持つ心臓外科医が、患者様に合わせた最適な手術計画を立案し、丁寧かつ安全な手術を提供しています。
術前の流れ
- 徹底した術前検査: 心臓の状態を詳しく評価し(心臓カテーテル検査、心エコー、CT検査など)、手術の適応を慎重に判断します。
- チーム医療: 医師(心臓血管外科・循環器内科・麻酔科)、看護師、理学療法士など、多職種の専門家が連携しながら治療戦略を練り患者様をサポートします。
手術の流れ
- 麻酔: 全身麻酔を行います。
- 手術: 左側の肋骨の間を小さく切開し、ロボットや内視鏡を用いて、冠動脈にバイパス血管を縫合します。
- 術後: 集中治療室で経過を観察し、状態が安定すれば一般病棟へ移動します。
- リハビリテーション: 理学療法士の指導のもと、リハビリテーションを行います。
- 退院: 状態が安定すれば退院となります。
退院後の生活
- 内服薬: 指示された内服薬をきちんと服用してください。
- 術後のケア: 手術後の生活指導を行い、早期の社会復帰を支援します。
- 定期的な診察: 定期的な診察を受け、心臓の状態をチェックしましょう。
- 生活習慣: バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、健康的な生活を送りましょう。
よくあるご質問
- Q:誰でも受けられる手術ですか?
- A:持病や心臓の状態によって適応が異なります。医師の診察・検査の上でご相談ください。
- Q:手術時間はどれくらいですか?
- A:手術の内容にもよりますが、約 4-6時間です。
- Q:入院期間はどれくらいですか?
- A:約 1-2 週間です。術後の状態をみながら適宜判断します。
- Q:手術費用はどれくらいですか?
- A:保険適用となりますので、自己負担額は加入されている保険の種類によって異なります。詳しくは当院の医療相談室にお問い合わせください。高額療養費制度も利用可能です。
- Q:心臓を止めて手術をするのですか?
- A:ほとんどの場合、心臓を止めないで手術をします。心臓を止めることはほとんどありません。
おわりに
左小開胸下MICS CABGは、冠動脈疾患に悩む患者様にとって、体への負担を最小限に抑え、早期回復が期待できる治療法です。
「手術は怖い…」
「体に負担をかけたくない…」
そう思っている方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。
ご質問・ご相談はお気軽に
詳しくは外来担当医、または当科のお問い合わせよりご相談ください。
動画1 左小開胸下MICS CABG
動画2 左小開胸下MICS CABG(内視鏡画像)
