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急性大動脈解離は緊急性の高い疾患です。
緊急の場合は24時間対応ホットライン070-6587-0114までご連絡ください。
概要
大動脈解離とは、大動脈壁の中に血液が進入して、大動脈壁が内外二層に離開された状態をいいます。ひとたび大動脈壁の中に血液が進入すると、多くの場合、きわめて短時間に大動脈の広い範囲に解離が広がっていきます。
特に大動脈解離の発症直後は生命がきわめて危険にさらされているわけですが、病状が安定しない2週間目までの危険な時期は急性期とよばれています。
急性大動脈解離は破裂やさまざまな臓器の血流障害が高い確率でおこります。多くは胸背部の激痛を伴って発症し、意識消失を伴う場合もあります。図1:A型大動脈解離の3D-CT画像。下半分の茶色い部分が心臓。大動脈(上半分の円筒形の部分)内にフラップ(赤矢印で示した曲線)を認めると、大動脈解離と診断されます。曲線より向かって左側が本来の血管腔(真腔)で、フラップの外側の真腔をとりまく部分が新たにできた血流腔(偽腔)です。解離が冠動脈(水色矢印)に及び心筋梗塞を合併する場合もあります。
治療
心臓の近くの上行大動脈に解離が存在するStanford A型大動脈解離(以下A型解離)(図1)は破裂、心筋梗塞、急性心不全などの致命的な合併症がおきる可能性が特に高いため、原則として緊急手術が必要です。
大動脈解離|慶應義塾大学病院 KOMPAS
一方、上行大動脈に解離がないStanford B型大動脈解離は、発症直後には手術を行わずに厳重な血圧コントロールを行うことが原則です。
いずれにしても、急性期には状態が急変したり手術が必要になる可能性があり、心臓血管外科医が対応できる病院での治療が必要です。
発症から十分な時間が経過した慢性大動脈解離の患者さんは、外来で降圧療法を中心とした治療が行われます。
動脈硬化による胸部大動脈瘤と同様、定期的な画像検査で解離した大動脈の大きさの変化をフォローアップして、瘤径が大きくなった場合にはその時点で手術が検討されます。
慶應義塾大学病院は東京都大動脈解離CCUネットワークに加盟して365日24時間体制で急性大動脈解離の患者さんを受け入れています。重症例、人工透析患者など治療困難例についても積極的な治療を行っております。我々が中心となって治験し保険収載された生体接着剤GFR糊の導入で、急性期解離の手術成績も向上しており、全国平均よりも大幅に良い手術成績を残しております。
連絡先
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