低侵襲心房中隔欠損症治療

小切開心臓手術(MICS・ポートアクセス手術)  腋窩小切開法  AMPLATZER心房中隔欠損症閉鎖システム

ポートアクセス手術(体重40Kg以上の患者さんに)

カテーテル治療時代における小切開低侵襲心房中隔欠損症(ASD)手術


総計 730例

慶應義塾大学心臓血管外科では年間20例から30例の患者さんに対して小切開心臓手術(MICS・ポートアクセス手術)を用いた心房中隔欠損孔閉鎖術を行っております。当院では小切開心臓手術は心房中隔欠損症手術の標準術式として確立されており、体重40kg以上の患者さんに対してはすべての症例で小切開心臓手術による心房中隔欠損症手術を行っております。現在、心房中隔欠損症に対する治療の主流はAmplatzer心房中隔欠損症閉鎖システムによるカテーテル治療に移りつつあり、現実に慶應義塾大学病院において昨年度施行した心房中隔欠損症手術のほぼ全例が、Amplatzerによる治療が検討されたものの解剖学的にAmplatzer治療が治療が困難であると判断された症例、あるいは、実際に試みたものの治療が完遂できなかった症例で、日本全国のAmplatzer施行施設からご紹介頂いた患者さんでした。また、2011年からは慶應義塾大学病院においてもAmplatzerによるカテーテルによる心房中隔欠損症(ASD)治療が開始されます。このような状況のもとで、心房中隔欠損症手術を受ける患者さんが、胸骨正中切開による前胸部の大きな傷に対して違和感を抱き、なるべく小さな傷で低侵襲な手術を望むのは当然のことであります。我々は5cmほどの右側胸部小切開による低侵襲心臓手術を施行することで安全かつ患者の満足のいく外科治療を行ってきました。また最近では肋骨をまったく切除しないで更に小さな傷から手術できるようになったため、術後の痛みもかなり軽減しました。

小切開心房中隔欠損症手術をご希望の方は

安全で確実、低侵襲な、小切開心房中隔欠損症手術をご希望の患者さんは、岡本一真講師(火曜日)の外来を受診してください。
受診に際しての予約・質問や弁膜症疾患についての相談・質問等については下記までご連絡ください。

連絡先  〒160-0016 東京都新宿区信濃町35番地 
TEL:03-3353-1211 (代表 内線62331), 03-5363-3804 (直通)
FAX:03-5379-3034(直通)
夜間受付電話番号:03-3353-1208
夜間休日連絡先:心臓血管外科当直医PHS:070-6587-0114
e-mail:keio.cvs.2331@gmail.com
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外科的手法による確実な心房中隔欠損症(ASD)治療

今後、Amplatzer治療は間違いなく心房中隔欠損症治療の第一選択となりますが、一方で外科的治療でしか治療できないタイプの欠損孔が存在することも事実です。また、外科的欠損孔閉鎖術の最大の利点はその確実性です。どの様なタイプの心房中隔欠損症であっても、確実に欠損孔を安全に閉鎖することができ、長期的な成績が良好であることがはっきりしているのがAmplatzerによるカテーテル治療に対する最大のアドバンテージです。慶應義塾大学心臓血管外科ではカテーテル治療に匹敵するほどの小切開・低侵襲アプローチによる外科治療を提供することが、心房中隔欠損症治療に携わる外科医にとっての使命だと考え、さらなる低侵襲化に努力しております。

適切な心房中隔欠損症(ASD)治療の選択

慶應義塾大学病院では心房中隔欠損症に対する治療として、Amplatzerによるカテーテル治療・小切開手術・腋窩切開による小開胸手術の三つの低侵襲治療から最適な選択することが出来ます。これらの治療を担当する心臓血管外科、小児科、循環器内科から構成される低侵襲心臓血管治療チームは緊密に連絡をとり、心房中隔欠損症治療を希望されて慶應義塾大学病院を受診された患者さんが適切な治療を受けられる体制を作っています。どの方法で治療を受けるか決めかねている段階からどうぞお気軽にご相談にいらして下さい。最初に心臓血管外科、小児科、循環器内科のどの科を受診するかによってその後の治療方針が決まってしまう様なことはありませんので、どうかご安心下さい。慶應義塾大学病院ではどの様なタイプの心房中隔欠損症に対しても、国内外で最も低侵襲で安全・確実な治療をご提案できると自負しております。


心房中隔欠損症手術の術中写真

Amplatzerを用いたカテーテル治療が不可能なタイプの病変に対しても、自己心膜を用いて確実な欠損孔閉鎖が小さな傷で施行できます。

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