留学体験

心臓血管外科
金子剛士

体験談

2002年に慶應義塾大学医学部卒業後一般外科で3年間、心臓外科で1年間のトレーニングを積み、2006年からNew York Medical Collegeとその関連病院で1年間、そして2007年からUniversity of Texas at Houstonで一般外科レジデントとして臨床研修中で、現在に至ります。

私が卒業した当初は臨床研修制度がなかったため、慶應大学の外科医局で1年間勤務後、出張病院で2年間の研修を行いました。その間、500例を超える執刀症例をはじめ、術前術後管理、外来など常にベッドサイドで多くの経験をされてもらいました。かねてから技術的に最高峰にある心臓外科を目指したいと考えていたため、その後心臓外科に入局。また海外留学に興味があったため、多忙な臨床研修中ではありましたがUSMLEの資格を取得し、2006年からアメリカに一般外科レジデントとして留学しています。

今自分自身に「外科医として大切なものは何か」問いかけた時に浮かんでくる言葉は、「人間としての成熟、そして絶え間なく学び続ける姿勢」です。これらは全て慶應での研修中に学んだことです。

初めて医師として働き始めた当初、私は出張先病院や慶應の先生方と日々接する中で、一言で言葉には言い表せない「外科医としての在り方・生き方」を学びました。しかし、どんなに素晴らしい先生方に囲まれ、環境に恵まれていても、土台となる自分の準備が整っていなければ、学んだものを消化吸収し、アウトプットすることは出来ません。上の先生方の在り方を常に学びながら、自分自身が将来なりたい医師の像を描き、それに少しでも近づけるように努力するしかありません。人間としての成長なくして、外科医としての成長はありえないと思います。

また常に学び続ける姿勢というのも研修中に学んだことの一つです。出張病院に常に最新の知見を勉強されている先生がいらっしゃいました。その先生曰く「医学は生涯学習だよ。」と言われ、研修中に全てのことを学べると考えていた自分は大変な誤解をしていたと気付きました。日々学び続け、常に自分の成長を実感出来ることほど楽しいことはありません。心臓外科はとても奥深い分野です。今まだ知られていない所見や術式を生涯学びたいと思いませんか?

2011年7月からハーバード大学のBrigham Women’s Hospitalでの心臓外科研修を始める予定です。ここまでの道は決して平坦ではなく辛い局面にも遭遇しましたが、慶應での4年間がなければ、今の自分はなかったと改めて実感します。アメリカへの留学の際に、四津教授をはじめとして多くの先生方、スタッフの方々に温かくお力添え頂き、また快く送り出して下さったことも、今自分がこうして目標に向かって走り続けていられる大きな原動力となっています。

今後は日本とアメリカ両方でのトレーニング経験を通し、手術手技はもとより、学術的な知識を身に付け、医学教育分野にも積極的に携わり、真の意味でのバランスの取れた心臓外科医を目指していきたいと思います。後輩の先生方にも一緒に心臓外科の分野で高みを目指してほしいと思います。

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